日本の土壌は酸性に傾いているということを聞いたことはありませんか。
多くの果物はPh5〜6程度がいいということなので、完全に中性にする必要はないのですが、
Phが酸性寄りになりすぎると、作物が思ったように育たないことがあります。
僕の農場も元はお茶畑だったので、ある程度酸性に寄っていることは周知していましたが、
恥ずかしながら今まで実際にPhを測ったことがありませんでした。(元々何も経験がなく農家になったので・・・)
さて、今回はそんな背景もあり畑の土壌改良も兼ねて卵の殻を使った肥料を自作してみました。
それでは卵の殻を使った肥料の作り方を紹介していきます!
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卵の殻の肥料を作るに至った理由と用途
上でもちょろっと記載しましたが、
農業を3年やっていて自分の農場のPhを今まで測ったことがありませんでした。
というのもほとんどの作物はしっかり育っていて何も問題がないと思っていたからです。
しかし、どうしてもイチジクだけは成長しても葉っぱが黄色くなってしまったり、葉っぱが枯れてしまったりと、
思ったように成長しませんでした。
肥料もやっているし、水不足でもないため原因を調べたところ、どうやらイチジクが好むPh値が
6.5~7or7.5という中性または弱アルカリ性の土壌ということでした。
どうやら酸性土壌を嫌うということです。
この時になって初めて自分の畑のph値を測りました。
その結果が場所にもよりますが、4.5〜5.5という結構な酸性土壌でした。
石灰を撒こうかと思いましたが、植物を植えてしまっている状態で石灰を撒くのは良策ではないため、アルカリ分が豊富卵で代用しようと考えました。
化学肥料も有機肥料も値段が上がっていますし、かなりの量を撒かなくてはいけないので自作してみることにしました。
まあ土壌のPhを上げる目的と一緒に肥料となれば一石二鳥となるので・・・
また僕の農場は全て有機栽培でよく牛糞堆肥を使用します。牛糞堆肥に含まれるカリウムはカルシウムやマグネシウム欠乏を誘発しやすいので、卵の殻の効果はとても期待しています。
肥料を作る際に必要なもの
肥料を作るのに必要なもの・道具は以下の通りです。
・コンポスター
・牛糞、米ぬかなど
・シャベル
コンポスターはどんなものでも大丈夫です。特におすすめもありません。
アイリスオーヤマでもコンポスターを取り扱っています。
農家が使用するコンポスターはJAなどで取り扱っていますが、値段も高いですし一般の方にはおすすめしません。
また牛糞等と記載しましたが、油粕やもみ殻等でも代用可能です。理由は後ほど説明します。
卵の殻を使った肥料(堆肥)の作り方
今回行う方法は僕の祖母から教わった方法です。
祖母も50年近く農業を行っているのでいわば農家の大先輩です。
昔ながらの方法ですが、100%有機でとても簡単な方法です。
コンポストを地面に埋める
まずはコンポストを用意しましょう。
僕が使用しているのはJAで購入したコンポスター230型というものです。
まずはこのコンポストを地中に約10cmほど埋め込みます。
このコンポストは設置型なので埋め込みますが、上で紹介したアイリスオーヤマのコンポストは密閉型なので埋める必要はありません。
シャベルや鍬を使用して穴を掘っていきます。
コンポストを地面に押し付けて地面に印をつけてから穴を掘ると無駄なく正確に穴を掘ることができます。
穴を掘ったらこんな感じでコンポストを埋め込み、隙間は土で埋めてしまいます。
卵の殻を砕きコンポストへ
今回は見本ということで少量の卵を用意しました。
まず卵をしっかりと洗い数日乾燥させます。
卵は手で潰してもいいですし、ミキサーを使用してもいいですが、粉状までにはしないようにしてください。
卵についている薄い膜は取り除くようにしましょう。
目安としてはこの程度砕けていれば十分です。
細かければ細かいほど分解が早くなるので頑張って細かくしていきます。
砕いた卵の殻はコンポスターの中に投入しましょう。
卵の堆肥を作るにはかなりの量の卵が必要となります。できることなら卵工場等卵の殻が大量に廃棄される場所に交渉に行って、卵の殻をもらってくるのが一番です。
牛糞等を混ぜ込む
砕いた卵の殻を入れた後は牛糞を入れ混ぜ込みます。
牛糞を入れる理由は、発酵を早めるためです。
卵の殻をそのまま作物の周りに撒いてもいいのですが、卵の殻は微生物に分解されるまでかなりの時間を有します。
要するに卵の殻をただ撒いただけでは効果はないのです。
もちろん僕が行う方法でもコンポスト内で数ヶ月〜1年ほど寝かせなければなりませんが、
卵の殻と牛糞や米ぬか等と一緒に寝かせた後に、肥料として使用すると効果が早く出るようになります。
有機肥料を発酵させることによって速効性を持たせた肥料を「ぼかし肥料」と言います。
有機物は発酵させないと肥料として使用できないので上記のものと一緒に入れ発酵を促す必要があります。
しかし普通の方が牛糞、米ぬか、油粕等簡単に入手できるとは思えません。
その時は苦肉の策ですが、すでに出来上がっている堆肥と土を混ぜて中に入れてあげると、発酵促進剤の菌と同じ物を増やすことができますので、お試しください。
卵の殻を使用した肥料の効果はこちらの記事を参考にしてみてください。
牛糞等を混ぜ合わせたら、後は蓋を閉めて準備は完了です。
上にも記載しましたが、約半年から1年ほど寝かせましょう。
卵の殻を使った肥料のデメリット
卵の殻を使った肥料のデメリットはもちろんあります。
まずは卵の殻成分入りの肥料ができるまでに時間がかかることです。
そもそも卵の殻は微生物により分解されるのに時間がかかります。そのため肥料として使用できるまでには1年ほどかかってしまいます。
これが一番のデメリットだと思います。
また他にもアルカリ性を多く含んだ肥料を使用すると土が固まってしまうという副作用がありますが、
卵の殻の成分入り堆肥(肥料)ならそこまで心配する必要はないでしょう。
またこのように通販でも有機石灰が安く売られています。またカインズホームでも卵の殻を使用した石灰がありました。
僕は一応自作の卵の殻肥料ができるまではこちらの商品を使用していこうと思っています。
でも20kgで700円なのでやっぱり大きな畑でやっている僕には大きな買い物になりそうなので自作のものができればかなり楽になりますね。
卵の殻肥料作り方まとめ
いかがでしたでしょうか。
僕としては土壌のPhを少しでも上げてかつ栄養があればいいなと思ったので、こちらを試してみた次第です。
まだ始めたばかりですので、今後どうなるのかまた報告したいと思います。
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