農業をやる上で天敵は天候だとずっと思っていましたが、
天候だけではなく、動物も大きな障害になることを身を以て理解しました。
というのも、昨年の冬、見事に榊の葉っぱや他の農作物が食べられてしまったのです。
僕の農場は山に囲まれているため、鹿やイノシシ、猿、野うさぎなどたくさん生息しています。
この中でも鹿は頻繁に山から降りてきて農作物を荒らすことで有名でした。
何も対策をしなかった僕が悪いのですが、葉っぱを食べられたり、幹をかじられたりして多くの農作物が枯れてしまったため、何か対策をしなければと思い、数ヶ月かけて農場の周りに簡易の柵を設置しました!
その方法をご紹介していきます。
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野生鳥獣による農作物の被害状況
街中で農業をやっている方はそこまで獣害の被害はないと思いますが、山間部で農業をしている方にとっては死活問題です。
1.鳥獣による令和元年度の農作物被害について、被害金額は約158億円で前年度に比べ約2千万円増加(対前年0.2%増)、被害面積は約4万8千haで前年度に比べ約3千ha減少(対前年7%減)、被害量は約45万8千tで前年に比べ約3万8千t減少(対前年8%減)しています。
2.主要な鳥獣種別の被害金額については、シカが約53億円で前年度に比べ約1億円減少(対前年2%減)、イノシシが約46億円で前年度に比べ約1億円減少(対前年2%減)、サルが約9億円で前年度に比べ約1億円増加(対前年4%増)、ヒヨドリが約6億円で前年度に比べ約3億円増加(対前年96%増)しています。
参照元:農林水産省
農林水産省によると全国の昨年の野生鳥獣の農作物の被害は上記のようになっています。
全国的に見てもやはり鹿の被害が多いようです。
被害状況
実際にどのような被害があったのかを少しだけシェアさせてください。
僕は榊農家なので榊の被害についてご紹介していきます。
まずこちらが普通の榊です。
榊の苗を植えた時は必ずこのように風で折れないように麻紐で榊を支柱に固定します。
が、、、このような姿に。
こちらも。
最初は風かと思ったのですが、風でしたらちぎれた部分が下に落ちているはずです。がいくら探しても落ちていません。
麻紐から上は基本的には新芽です。鹿は主に新芽などの柔らかい葉っぱを食べるので、おそらくこれは鹿による被害でしょう。
奥の雑草が茂っているとこに分かりづらいですが、獣道ができていました。おそらくこちらからきたのでしょう。
榊以外にもレモンやゆず、栗などの葉っぱも食べられていました。
鹿対策用の柵を設置した理由
鹿被害が目立っていたため、ついに鹿対策に乗り出しました。
鹿対策は柵や電気柵を設置したり、音や光で威嚇したり、餌で捕獲するなんて方法がありました。
まず音や光は現実的に考えて対策にはならないと思いました。
音や光は猟銃の音や何か機械を使った対策なのですが、センサーが反応しない場所を通ったり、
鹿が現れる夜に僕は農場にいないことから不可能でした。
無数にいる鹿を餌でおびき寄せて捕獲なんてまず無理です。猟銃会の方もきたりしていましたが、効果があったのかは謎。
となると柵が一番有効的です。
鉄製の柵を設置するとなると、お金もかかるし、犬を飼っているため、事故を防ぐために電気柵は却下。
このような経緯があり、自分で簡易の柵を設置することにしました。
こんな感じで簡易の柵を農場全体に張り巡らせました。
このやり方を今からご紹介していきます!
柵の設置に必要なもの
柵を設置するために必要な物は以下の通りです。
・Zip ties(日本語が分かりませんでした。。。結束バンド?かな)
・支柱(2m40cm、1m1m80cm、1m50cm使用)
・ハンマー
・打ち込みハンマー
(鹿よけネット)
(Zip ties 結束バンド?150cmの物を使用)
(支柱 写真は2m40cmと1m80cm)
(打ち込みハンマー)
自作の柵の設置方法
それでは自作の柵の設置方法をご紹介していきます。
ちなみにこの柵は本格的なものではなく、簡易的な柵です。それだけはご了承ください。
支柱を設置する
まずは柵を設置する場所を決め、約3m間隔で支柱(2m40cm)を設置していきます。
この支柱が柵の枠組みになりますのであらかじめしっかり場所を決めて打ち込んでください。
支柱は細いタイプならこのように2本重ねてもいいですし、太ければ1本で大丈夫です。
支柱を打ち込む際は、ハンマーでもいいのですが、この打ち込みハンマーを使うと楽に地中に埋めることができます。地中に石があったり、土壌が硬いと普通のハンマーではまず入りません。
ここでしっかり地中に埋め込まないと、風や獣が来た時に簡単に抜けて倒れてしまいます。
枠を設置したい場所全てにあらかじめ支柱を埋め込んでいきましょう。
網(ネット)を支柱にかけていく
支柱を設置し終えたら次はネットを支柱に結びつけていきます。角の方から始めるといいでしょう。
ネットは支柱の外側を通すようにしましょう。
ネットはまずこのように上の部分を支柱に巻いていきます。1周巻けば十分ですが、たるむようなら2周、3周してたるみをなくしましょう。
巻いた箇所を結束バンドでしっかり固定しましょう。
出発地点以外は、結束バンドで固定するのは最後の作業です。まずはネットを支柱の外側でクルクル回していき、必要な分を取り出します。1周したら、ネットを切らず、上記のように上の部分を固定していきます。
上の部分を固定して、たるみなどの問題がないようなら、支柱の真ん中、一番下を同じように結束バンドで固定していきます。
1本の支柱に対し、3〜5箇所ほど結束バンドで固定したら十分です。
メインの支柱を固定する作業
1番最初に差し込んだ支柱がメインの支柱になるのですが、風が強い地域だと、簡単に支柱はへし折れてしまいます。
これは風でひん曲がってしまいました。
このようなことにならないために、メインの支柱を固定していきます。この時に使用するのが、1m80cmと1m50cmの支柱です。
僕の農場は、北風と南風がよく吹くので、北側、南側に補助の支柱を上のように設置しています。
補助用の支柱は普通のハンマーでしっかり埋め込み、メインの支柱に結束バンドで結びつけましょう。
力がかかる場所は、できる限り補助の支柱を挿しておきましょう。
全てのメインの支柱にこの補助の支柱を立てることで安定性が増します。鹿などが突進しても倒れにくくなるでしょう。
僕はもともと1本飛ばしでこの補助作業をやっていたのですが、補助がないメインの支柱はことごとく折れてしまったり、抜けてしまったりしたので、現在は全てのメインの支柱にこの補助の支柱を設置しています。
この補助作業が終われば簡易の柵の設置は完了です。
こんな感じに1周できれば完璧です。
入り口が必要な場合は、各自作っていきましょう。
追記
上記のやり方でネットを張ったのですが、使用したネットの網目が細かいため、風をもろにうけて倒れてしまうことがありました。
そのため上の写真のように網目の粗いネットを使用しました。
これも2mのネットです。上のネットとの違いは網目だけです。
手のひらくらいの大きさがありますので、全く風をうけません。しかし、このように網目が粗いため動物が引っかかって、ネットが倒れてしまうことがあります。
そのためこのように下の方に網目の細かい1mのネットを張りました。そうすれば鹿などがネットに引っ掛かることはありません。
このネットを使用した方が安定性も出るのでおすすめです。
風があまり吹かない地域であれば、網目が細かいネットを使用しても大丈夫だと思います。
またはネットに切り込みを入れて風が通るようにしてあげましょう。
鹿対策のやり方まとめ
いかがでしたでしょうか。
この柵を設置して以来、葉っぱや幹が食べれてしまった形跡はありません。
まだ食べ物がある季節なので、鹿も山を降りてこないだけかもしれません。今年の冬が勝負です。
このやり方は簡易的なため、一時しのぎにしかならないかもしれません。
今回は誰にでもできるやり方をご紹介しています。ご了承ください。
また何か柵を設置する上で質問がありましたら、コメントをしていただけると幸いです。
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