みなさん農家と聞いたらどのような農家を思い浮かべますか?
おそらくだいたいの方が野菜農家だったり果物農家というものを思い浮かべるのではないでしょうか。
確かに野菜や果物って需要はあるし、それらの農家さんはたくさんいるため、色々勉強することができ、初めて扱う作物としてはいいかもしれません。
しかし今回お話する「榊」はどうでしょうか。
僕は現在榊農家として働いていますが、実際儲かっているのか、今後儲かるのか気になる方もいるかと思います。
今回は愚痴というか、こんな職業もあるんだなあというくらいで見て欲しいのですが、今後榊を扱いたいという方のお役に少しでもなれたら幸いです。
それでは愚痴をこぼしていきます。
Table of Contents
榊の需要
榊の知名度ってやっぱり他の作物と違ってっても低いですよね。
正直僕もこの仕事を始める前まで、榊を知りませんでした。
10代、20代の方はほとんどの方は知らないと思います。
そもそも榊は神道で使用されます。
榊は古来より日本全国で後神事に使う神聖な植物でした。なので神道の方はもしかしたらご存知かもしれませんね。
神棚がある家には必ず飾ってあります。
2019年12月31日時点で、神道系の信者は全国に8,895万9,345人いると文化庁の「宗教年鑑」で報告されています。
正直この約9,000万人の方全員が真面目に信仰しているとは思いませんが、それでも1,000万人くらいはしっかり信仰してくれていると考えてもいいでしょう。
日本の総人口の約10分の1の方がこの榊を欲しがっていると考えたら、需要は十分あると考えていいでしょう。
また日本全国に神社は約8万社あると言われていますし、神道では毎月1日と15日に供えてある榊を変えるという風習があるため、需要が時期によって全くなくなるということはないでしょう。
榊農家の減少
榊1本で勝負している農家さんは少ないです。
市場の動向を見てわかるように、現在市場に出回っている榊の約90%は中国産です。
参考として価格ドットコムを見てみましょう。国産の榊は1束500円〜700円ほどです。
しかし中国産の榊は300円〜400円ほど。
また出荷作業も大変なんです。
榊は山の中自生していることが多く、この自生している榊をとってくる農家さんが多いと思います。
現在僕は平地に挿し木から育てた苗を植えて育てているのですが、出荷用の榊はこんな山の中からとってきます。
平地に植えた榊がしっかり育つまでは山からとってくる必要があります。
まあ山の中は重機や機械が使えず、運び出すのは全部自分自身で行う必要があります。何往復もしてやっと出荷に必要な量を確保できるのです。
こんな重労働をして得られる金額は1束数百円です。これでは割りに合わないですよね。
もちろん国産の榊を欲しがっている方はたくさんいますが、中国産の台頭、重労働のわりに対価は安いと専門としてやっていくには大変です。
榊栽培は儲かるのか
それでは本題に入っていきましょう。
榊栽培は儲かるのかどうかは率直に言うとやり方次第です。
儲けるためには2つのやり方があります。
ソーラーシェアリングする
1つ目はソーラーシェアリングをすることです。
実際に僕もソーラーシェアリンは行なっています。
ソーラーシェアリングについては上の記事で詳しく説明してあります。合わせてお読みください。
ソーラーシェアリングは色々なメリットがあるんですが、今回は収入面のメリットをご紹介します。
まず榊は重労働の割に見返りが少ないとご説明しましたが、ソーラーシェアリングをすることで、比較的まとまった金額を得ることが可能です。
榊だけの収入だと不安な方でもこれなら安心です。
こちらの記事を参照していただきたいのですが、現在僕は週2〜3時間の作業時間で約10,000円ほど収入があります。
出荷量も少ないし、出荷先も1つしかない状態ですが、これほどの収入です。(多いか少ないかの判断はお任せします)
出荷先を増やし、出荷量を増やせばさらに増やすことは可能でしょう。
プラスソーラーパネルの売電で得た収入をプラスすればサラリーマン以上の月収になるのは間違いありません。
安定して出荷できる場所を探す
こちらの方法はすでに榊を大量に栽培しており、いつでも大量出荷できる状態にある方に限ります。
安定して出荷できる場所。例えば神社や大手スーパーと直接契約を結ぶだったり、東京の市場に挑戦するのもいいでしょう。
上記の通り榊の需要はたくさんあります。
1度安定して出荷できる場所を見つければ、安定した収入を得ることが可能です。
しかしここが難関なんですが。。。
おそらくですが、東京の市場に出したり、神社に出荷したりできるようになるには、実績や信頼が必要になってくるでしょう。
そこまでの実績があるかないかも判断材料になるのではないでしょうか。
しかし榊は本当に生命力がある植物なので、野菜や果物のように厳格な品質管理をする必要はありません。
もちろん品質管理は必要です。しかし数日、目を話しても虫に食われたりすぐ枯れてしまうということはありません。
その分人件費などは安くなりますので、出荷場所が見つかればあとはどんどん出荷して儲けるだけになります。
またこちらには榊栽培のデメリットも記載しています。良いことばかりではなく、大変なことなども一緒に知っていただけると幸いです。
榊栽培は儲かるのかまとめ
いかがでしたでしょうか。
まあ簡単な職業ではありませんが、ニッチな分野なので新規参入はまだまだできると思います。
しかし最近はソーラーシェアリングで榊を栽培する方が増えているので、ライバルが増えてくる可能性も考えられます。
また何か愚痴があったらこぼしていきます。
コメントを残す