榊農家の収入や年収は?さかきの出荷だけで生活できるのか?

20代で安定を捨て農家になるというのはとても勇気がいることだと思います。

農家になるには土地や機材、時間など様々なものが必要で初期費用が半端なくかかります。

さあ、この記事を見てくれている方は、おそらく脱サラして農家を目指している方や、

榊を自分自身で育てようとしている方だと思います。

農家になると簡単にいっても生活していかなければなりません。そのような中、一番気になるのは「収入」ではないでしょうか。

今回は榊の出荷だけで現在、どれだけの収入を得ることができているのかをご紹介していきます。

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榊の市場価格は?

まずは榊の市場価格はどのくらいなのかをご紹介していきます。

価格ドットコムで調べてみたところ、中国産の榊が約300〜400円ほど。

スーパーなどに売っている中国産の榊もだいたいそのくらいの価格で売られています。

国産の榊は1束およそ500〜700円ほどで販売されています。

実際市場に出回っている90〜95%の榊は中国産です。現在国産の榊はほとんど市場に出回っていないのが原因です。

理由はいろいろあるのですが、次回ご説明していきます。

しかし、榊が使用されるのは神道、特に神社や神棚に飾れることがほとんどです。

皆さんも神社に行き、大きな葉っぱが飾っていあるのを見たことがあるのではないでしょうか。

神道は日本独自の宗教です。神様にはしっかりとした国産の榊を飾りたいという方は多く、中国産よりどちらかというと国産の榊を使いたいというお客様が多い印象です。

補足説明
日本産の榊の方が葉っぱがしっかりしていて、立派です。何日もかけて運ばれてくる外国産のものよりは質がいいのは当然ですよね。そのため、神社やお花屋さんからも日本さんの榊が好まれます。

また神道では、毎月1日と15日に必ず神棚の榊を交換するという習わしがあるため、需要が途切れることはありません。

また卸価格は以下の通りになっています。

国産榊を専門の販売店様に卸されるのであれば、2500~3000円/㎏で取引がなされます。
参照元:情報提供システム.com

 

榊農家の収入は?

さあそれでは榊農家(僕です)はどれくらい稼ぐことができるのでしょうか。

現在の出荷量などは以下の通り。

・出荷は土曜日がメイン。たまに日曜日
・出荷量は約30〜60束とその日によって異なる
・出荷先はJAの1店舗のみ
・1束150円〜280円の設定(品質や大きさ、数によって異なる)
・出荷のための作業時間は2〜3時間のみ

この条件の下1週間の収入は約5,000円〜10,000円ほど。

月収に換算すると25,000円〜40,000円ほどでしょう。

よく言われているのが、1,000平米あたりの収穫量でいうと、年間の収入は25万円ほどだそうです。

少ないと思うか多いと思うかは人それぞれ違うと思います。

僕にとっては週2〜3時間の作業時間で10,000円ほどの収入があれば十分だと思います。

現在は榊の本数を増やすことに専念しているため、出荷はそれほどしていません。

しかしこれが倍になればどうでしょうか。販路を拡大したら?

可能性は無限に広がっています。

まずはこの挿し木達を大きくして畑に植えることが優先です。

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競争相手は?

収入は競争相手によっても変わってくるでしょう。

現在僕が出荷しているJAでは榊農家は僕だけです。たまに出す方がいらっしゃいますが、ほとんど見かけることはありません。

そもそも榊農家自体あまりいないので競争相手は他の農産物に比べるとかなり少ないのではないでしょうか。

今後どのように変わってくるかが重要です。

現在ソーラーシェアリングとして榊をソーラーパネルの周りに植えている方を見かけます。

実は僕もソーラーシェアリングもしているのですが、売電と榊の販売でまとまったお金を得ることが可能です。

そのような方々が今後の競争相手になってくるのではないかと思っています。

榊は出荷できるような状態になるまで数年かかるのですぐに競争相手は増えなそうです。

僕の場合は榊を育てつつ、山(もちろん自分の物です)に自生している榊を切り取って出荷しています。

なぜか無数に生えているので、山の管理もできて一石二鳥です。

榊農家の収入はいいのか悪いのか

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

現在の収入だけではもちろん生きていくことはできないでしょう。

しかし上でも記載した通り、可能性は十分に秘めている分野です。

競争相手が少なく、需要もある(神道がなくならない限り)ため販路拡大次第で十分な収入を得ることは可能だと思います。

榊農家を目指している方、農家を目指している方の参考になれば幸いです。

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17 件のコメント

    • 渡辺様
      コメントありがとうございます。

      JAさんが納入を拒否した理由は分かりますか。
      どのくらいの量を卸すのかわからないのですが、お近くにファーマーズマーケットや道の駅等ありましたら、年会費を払えば出荷することが可能かと思います。
      継続的に出荷できるようでしたら、お近くの花屋さんとも交渉してみるといいかもしれません。

  • こんばんは、ChawChawです。いつも色々な情報を配信して頂きありがとうございます。今日はまた教えて頂きたい事がありますのでコメントさせて頂きました。
    私共の山に千両が生えているのですがこれらも毎年出荷しております。ご存知かと思いますが千両に赤色と黄色があり、その割合は赤7:黄3くらいです。聞くところによると白色もあるようなのですが殆ど出回ってはいないようです。
    質問ですが、
    白色を意図的に栽培することは出来るのでしょうか?

    もしご存知でしたらご教授願えませんでしょうか?

    • いつも私の記事を読んでいただきありがとうございます。
      千両の花は私の山にも自生しております。ChawChaw様のコメントを拝見した後、改めて山を散策してみたのですが、当方の山には赤の千両の花しかありませんでした。
      交配の問題なのか劣等遺伝子なのか、日光の量、気温等様々な要因があると思います。千両は私自身育てているわけではないので、お力になれず申し訳ございません。

  • お久しぶりです。今日はサカキの話ではありませんが、何か良いアイデアがあればと思いコメントさせて頂きました。実は私の周りに柿農家の知り合いが多く、余った柿をたくさんもらいます。しかし、食べきれないので捨ててしまうこともあり勿体ないことをしてしまいます。

    何か上手く売る方法はないでしょうか?

    • お久しぶりです。本音を言うなら、一農家としては、貰い物を売るということはしてほしくはないです。ChawChaw様のご友人等に分けてあげるなど方法はあるはずです。
      また余った柿というのは、出荷時の規定にそぐわないタイプの物なのか、それともだた単に余った物なのか知る必要があると思います。

      どうしても売りたいというなら、お知り合いの柿農家様に相談し、いいようならお近くのJAが運営している市場になら出荷可能かと思われます。

      • おはよう御座います。そうですね、おっしゃる通り不謹慎でした。申し訳ありませんでした。ただ、柿もみかんも収穫されずに落ちている物や、配っても配りきれずに腐らせてしまうという話を聞くと、只々勿体ないなぁという気持ちからコメントしてしまいました。
        失礼しました。

  • 50台後半のサラリーマンです。私も榊とひさかき,香花を注目しており、何とか食べていけるならいつ会社を辞めてもいいと思っています。近くの農協や産直広場に出荷しており、月8-10万は行けます。しかし、出来ればその倍15-20を目指せないかと模索中です。20台での決断は良いとして、榊以外にも何か考えておられますか?

    • コメントありがとうございます。
      月8〜10万というと既に相当な量を出荷されていることと思います。
      当ブログを読んでいただければわかりますが、当方榊以外にも複数の種類の果物を栽培しております。時期が被ると出荷作業が慌ただしくなるため、なるべく穫時期が被らず、1年を通して収穫作業ができるように果物を選びました。
      榊だけでは確かに限界があります。果物は収益が出るまで数年かかりますが、単価が高いキウイや栗等育ててみる価値がある果物はたくさんあります。
      ぜひ、ご自分の畑の環境に合う果物を見つけてみてはいかがでしょうか。

      • 早速返信して頂きありがとうございます。やはり出荷先の土地柄によって販売数はかなり違うようです。そんなに大きくないスーパ^なのですが、客層はお年寄りが多く仏壇の事を他より積極的にやる人が多いそうです。他にも同系列のスーパーがあるのでその辺りも見ながら出荷量を調整しようと思います。HPをシッカリと見ないまま投稿してしまいましたが他にも沢山やられているのですね。すごいですね。私はブルーベリーをやってみたいのですが、何かアドバイスがあればお願いします。

        • 出荷先をいくつか見つけることができれば、リスクを分散できるため、とてもいいと思います。またおっしゃる通り、地域によってかなり需要は異なりますので、無駄が出ないように調整することもとても大切ですね。
          またブルーベリーに関してですが、品種はコメント主様の地域の気候に合わせて選ばれた方がいいと思います。
          ブルーベリーは大きく分けて3品種あります。初めての場合お試しということであれば、品種改良が重ねられた「ラビットアイ」という品種をおすすめします。

          • ご指導頂きありがとうございます。ラビットアイは色んなところよく売られていますね。資金が無いので挿し木で株を増やしたいのですが、どうでしょうか? 何十株かに増やしてからでないと見返りがすくないのでその方が良いかと思うのですが。。

          • そうですね。正直数株じゃ売るとしても十分な数にならないので、少なくとも数十株は欲しいところです。
            ブルーベリーの挿木は試したことがありません。またブルーベリーも成長が早いわけではないため、挿木から始めると、収穫までに数年(5年ほど?)かかってしまうかもしれません。
            苗は購入する時期をずらせば1,000円以下で購入することが可能です。それでも苗の成長のために植えたその年から果実を成らせるのは得策ではありません。苗の成長のために収穫までに2〜3年ほど期間をおく必要があります。実際に私も収穫しているブルーベリーは全て苗の状態で植えてから3年以上経過しているものです。
            またブルーベリーは単独受精できますが、異なる品種と植えると実を実らせやすいということです。私は現在ラビットアイとハイブッシュ系の2種類を植えてあります。
            時間をとるかお金をとるかの違いではないでしょうか。

  • はじまして。
    20代で脱サラで榊農家さんですね。
    お若い方がなぜ榊に惹き付けられたのか気になります。

    私は定年を過ぎてから榊農家さんや花卉栽培に興味を抱くようになりました。年齢と体力、収入面等、後々の事を想像しながら可能ならば早速、挑みたいと思っています。

    榊は欠かさず神棚に供えてますが、購入の度に産地や価格は気になります。

    みどりに触れた商売をしたい、神事の文化に触れたい等、本気で考えています。

    榊の育て方等、視察等のできる所があれば教えて下さい。
    宜しくお願い致します。

    • 私も62歳です
      今太陽光パネルの下でサカキの難しさに手を妬いています
      これから梅雨 心配です

    • 初めまして。

      なぜ榊農家になったのかはおいおい記事にしていきたいと思いますが、簡単にいうと、土地やマーケットがあったため、また会社勤めが適していないと判断したためです。

      榊は平地で育てることができれば、腰にも負担がかかりません。榊農家は全国的に少ないですし、宗教に関連しているものは少なくとも需要がなくなることはありません。
      国産の榊は中国産よりも品質が良く人気もあります。
      榊は将来性がある作物だと考えております。

      榊の栽培を視察できる場所は正直存じておりません。このブログでも育て方や榊の様子など写真を使って細かく説明していこうと思っていますので、よろしければ時々ご覧になっていただければ幸いです。

  • はじまして。
    20代で脱サラで榊農家さんですね。素晴らしい決断に魅力を感じてコメントしました。

    私は定年を過ぎてから榊農家さんや花卉栽培に関心があります。年齢と体力、収入面等、後々の事を考えながら可能ならば早速、挑みたいと思っています。

    榊は欠かさず神棚に供えてますが、購入の度に産地や価格は気になります。

    みどりに触れた商売をしたい、神事の文化に触れたい等、本気で考えています。

    榊の育て方等、視察等のできる所があれば教えて下さい。
    宜しくお願い致します。

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