これまでにこのブログでも以下のように榊農家は副業として、
そして今後新規参入する上でもチャンスがあるという記事を書いてきました。
いいことばかり書いてると、なんか疑わしいと思われてしまうかもしれない(僕はそういうタイプの人間です)ので、今回は、榊栽培や榊農家としてのデメリットや大変なことなどをご紹介していこうと思います。
また最近はやりのソーラーシェアリングで榊を育てるという方も多いと思いますが、太陽光発電がなくても生活できるのかなどもシェアできたらなと思います。
全ての榊農家の方に当てはまることではないため、一榊農家の愚痴と思って読んでくれると幸いです。
Table of Contents
榊栽培・収穫に関するデメリット
それではまずは榊栽培のデメリット、大変なことなどをご紹介していきます。
収穫までに時間がかかる
榊は植え付けや育て方はいたってシンプルです。
上の記事に詳しいやり方を書いてあるのですが、簡単にいうと穴を掘って肥料を入れて苗を植えるだけです。
水かけも夏の時期や植えたばかりは毎日1回はたっぷり水をあげる必要がありますが、
根がしっかりつけば毎日水をあげる必要がなくなります。
最初はこんな感じです。挿し木から育てここまで大きくなるのに1年半ほど。
こちらは背丈が1m80cmほどまで育ったのですが、ここまでで3年半です。
2mほどになれば収穫可能と僕自身は判断していますが、2mになるまで挿し木のからだと4年〜5年ほどかかります。
せっかく大きく育ってもこの成長期間の4〜5年の間に枯れてしまったり獣害に遭ってしまったら泣くに泣けません。
榊の栽培自体はとても簡単ですが、成長速度がこんな感じなので、出荷できるまで時間がかかってしまうのがデメリットといえるでしょう。
山での収穫が大変
僕の山では榊が自生しているため、現在は山から榊を運んできて出荷作業をしている状態です。
このような方も多いのではないかと思います。
山から大量の榊を担いで搬出しなければならない、葉っぱに傷がつかないように慎重に、葉っぱが地面を擦らないように持ち上げて運ぶため、かなりの重労働です。
僕自身20代で日頃からジムで鍛えているのですが、それでも2往復するだけで腕がパンパンになります。
山を下るのも足腰にくるのでかなりきついです。
こんなことをしないように現在は平地に榊を植えています。
こんな感じです。まだまだ小さいので出荷できるまで時間がかかるでしょう。ここも平地ですが、元がお茶畑だったので多少の傾斜はありますが、山に比べたらかなり楽になるでしょう。
大量に榊を植える必要がある
2mの榊1本から出荷可能な量はたかがしれています。
そのため何本も榊を植える必要が出てきます。僕はこの1年間で100本以上植えています。
その間、僕のように山などに自生している榊がない場合、榊の出荷はできないので、収入は0になってしまいます。
植えるのはとても簡単ですが、100本200本、考えるだけで諦めたくなる量ですよね。
僕は鍬で穴を掘りまくって腕の筋肉がついたので嬉しかったのですが、
こんな感じでポジティブ思考じゃないとやってなられない作業です。
榊の栽培に関するデメリットはこんな感じでしょうか。榊の「栽培」自体は簡単なのでデメリットは感じられません。栽培の先の出荷、収穫の面を考えると上のようなデメリットが考えられます。
榊農家のデメリット
上では主に時間や、重労働など榊農家のデメリットともいえることをいくつかご紹介してきました。
でも農業は忍耐力がないと務まりませんよね。これは榊農家さんだけでなく全ての農家さんにいうことができると思います。
4〜5年という待機期間は特にきついと思いますが・・・。それでも桃栗三年柿八年なんていいますし、柿農家さんに比べたらそこまで待機期間はないと思います。。。。
それでは榊農家としてのデメリットをご紹介していきます。
営業がかけづらい
これに関しては全ての農家さんにいうことができると思いますが、榊も実はそうです。
大手スーパーなどは本部で取引先が決まっていたり、中国産の安い榊を販売しているところがほとんどなので、
実績がない榊農家が営業をかけても、話は聞いてくれてもほとんど取引してくれません。
今はアマゾンなどで榊を販売している業者さんも見かけますが、僕自身としてはお客様の手に取ってもらって売っていきたいという思いもあります。
もちろんネット販売は営業は入りませんし、出店料だけ払えばあとは置いとくだけなので楽といえば楽ですよね。今後はそっちの方が需要があるのかな?
まあやはり新規参入したい榊農家さんは、JAや道の駅などに出荷しつつ販路を広げていかなければなりません。
JAなどに出荷する場合は、自分で値段を決めることができるのですが、ライバルがいる場合はかなり安くしないと売れません。現在僕はスーパーなどに売ってる中国産の榊よりも安く売っているのが現状です。
キャリアと一緒ですね。実績を作り評判が上がれば、取引先は増えていくでしょう。
神道を信仰している方がいないと売れない
販路を獲得して、定期的に榊を大量に出荷できる環境にあれば完璧ですが、
当初は上にも書いたように低価格で販売しなければなりません。
榊は神道で使われるものなので、決して需要がないわけではありません。むしろ需要はあります。
そのためお店に出せば間違いなく売れるのですが、それでも毎日たくさん売れるかどうかと聞かれると、それは難しいでしょう。
神道を信仰している方は、榊を神棚にお供えするのですが、毎月1日と15日に榊を変える風習があります。
なのでその時になるとたくさん売れるのですが、それ以外では「大量」には売れません。
また神棚に榊をお供えするような熱心に神道を信仰している方が販売するお店の付近にいなければ、全く売れないでしょう。
このため全国的に榊の需要はたくさんありますが、神道を信仰している方が近くに住んでいなかった場合は、間違いなく売れません。これが野菜や果物などの農家さんとの1番の違いだと思います。
榊農家としてのデメリットはこのくらいでしょうか。
実際榊の収穫作業や出荷作業は、山から運んでこない限りとても簡単です。農家の方々は毎朝早く起きて様々な作業をしなければならいという概念がありますが、榊農家(少なくとも僕)はそんな必要はありません。出荷先などの都合により朝早く出荷しなければならな場合は別ですが。
これまでのところ僕自身としては、榊農家としてのデメリットはそこまで感じていません。
この2つも頑張って絞り出した2つです。
榊栽培に太陽光パネル(ソーラーシェアリング)は必須?
2013年からソーラーシェアリングが解禁されました。
榊はソーラーシェアリングの作物として人気があります。全国的にも榊を育てている方が多いです。
なぜソーラーシェアリングに榊がおすすめなのかは上の記事で細かくご説明していますのでお確かめください。
実際に僕も使っていない農地を一時転用して太陽光パネルを設置しています。
もちろん太陽光発電をしていれば、最悪何もしなくても、榊が売れなくても、晴れていれば安定的に収入を得ることが可能です。
榊農家として、太陽光発電はあれば尚良いでしょう。むしろあった方が保険の意味合いで安心できます。
しかし榊の出荷場所があり、安定的に供給できる立場にあるなら、太陽光は必要ありません。
太陽光を設置するだけでも数千万円かかりますし、売電価格も年々低下してきています。
世界全体で脱炭素を目指しているので、太陽光発電の需要は今後増えると予想はしています。
そのため売電価格も0円になることはないでしょう。太陽光パネルの値段も今後ますます下がってくるため、どっこいどっこいでしょうね。
僕個人の考えとしては、土地やお金があれば太陽光パネルを設置するに越したことはありませんが、無理に設置する必要はないと思います。
榊は神道がなくならない限り需要はあります。榊農家も多くなく、需要としては中国産より国産の榊が好まれているので、新規参入しても今なら勝負できるでしょう。
榊栽培・農家のデメリットまとめ
いかがでしたでしょうか。
もちろん榊農家にだってデメリットはあります。しかし僕自身としては、会社に属して上司に気を使って縮こまって8時間過ごすより、自分のペースで自分らしくできる農家はそれだけでメリットしかありません。
体も鍛えることができるので嬉しい限りです。もちろん体力的には疲れますが、精神的にはとても楽です。
収入の面で安定しない時もあり不安ですが、僕はお金が全てではないと思っています。
最悪お金がなくなったら、自給自足すれば良いやくらいにしか思っていません。
幸運なことに、僕の土地には飲むことが可能な沢の水があるし、太陽光パネルもあるため電気も作れる、土地は有り余っているため、動物を飼うこともできるなどまあお金がなくても生きていくことは可能です。
自分がやりたいようにするのが人生で一番大事なことだと思うので、僕は正直上記に挙げたデメリットは全くデメリットと考えてはいません。
なので参考程度にしていただけると幸いです!
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