榊は他の植物に比べ、暑さに強く、簡単には枯れることはありません。
そんな榊も病気になったら話は変わってきます。
これまで榊の植え方や育て方などをご紹介していきましたが、榊はどのような病気にかかるのかというのも共有していけたらなと思い、この記事を書いています。
というのもこれまで数百本ほどの榊を植えたり、挿し木にしてきましたが、
農薬等を使用していないため、何本かは病気になり枯れてしまった個体があります。(水不足で枯れてしまったのを除く)
先日ふと見たら植えた榊や、挿し木の葉っぱの色が変わっていたのがありましたので、
どんな病気にかかってしまったのか等写真付きでご紹介していこうと思います。
ただ僕も榊の葉っぱのプロフェッショナルではないので、間違えていたらすいません!
Table of Contents
葉っぱが赤色や茶色っぽい色になる場合
基本的に健康な榊の葉っぱは深緑や黄緑といった色をしています。
そんな中に赤い葉っぱが出てきたら驚きますよね。
しかし榊の葉っぱが赤くなることは普通です。なぜならそれは「新芽」だからです。
榊の新芽は4月頃から出てきます。最初の頃はあまり目立ちませんが、新芽が大きくなってくるとこのように葉っぱ全体が赤色になります。
遠くから見るとこんな感じです。
もちろん黄緑色のの新芽もありますが、赤い新芽も珍しくありません。
一部分だけ赤くなってしまっている場合は病気を疑ったほうがいいですが(後ほどご紹介します)、このように全体的に赤くなっている場合は、病気の心配はする必要はありません。
時間が経つにつれ、綺麗な黄緑色に変わってきます。
またこのように新芽ではない葉っぱも赤くなってしまうことがあります。
この原因は「日光」にあります。榊の葉っぱは日光に当たりすぎると、葉っぱが焼けてしまい、このように赤色になってしまうことがあります。
しかしこれは病気ではありません。日光を少し遮ってあげれば葉っぱの色は元のきれいな緑色に戻っていきます。
榊の葉っぱを赤くしないための簡単な方法は以下の記事に記載してありますので、合わせてお読みください。
赤褐色になり落葉したら輪紋葉枯病の可能性
榊栽培で一番気をつけなければならないのは、「輪紋葉枯病」という病気です。
榊の病気は多く分けて3〜4つほどあるのですが、葉っぱが少し落ちるくらいで、樹木全体が枯れてしまうという病気はほとんどありません。
しかしこの輪紋葉枯病は榊が枯れる1番の原因になります。
・褐色化が進みやがて枯れ、落葉する
・木下の方から症状が進行し、最終的には木全体へと広がっていく
葉っぱが菌に感染したら、2〜3日ほどで発症してしまうといういいます。
このように急速に落葉してしまった場合、輪紋葉枯病を疑いましょう。
輪紋葉枯病の詳しい対処方や原因は以下の記事にまとめてありますので、合わせてご確認ください。
鳥取県のHPにこの病気の原因など詳しく記載されていますので、合わせてお読みください。
黒いすすのようなもので覆われていた場合はすす病
すす病は聞いたことがある方も多いかもしれません。榊だけではなく、多くの植物でも発症します。
すす病はカビが繁殖することによって発症します。寄生すると葉っぱや枝などが黒いすすに覆われるようになります。
こんな感じになったら要注意です。
輪紋葉枯病のように葉っぱが枯れたり、落葉したりということはないのですが、
榊は葉っぱの見た目が全てです。こんな見た目になってしまったら商品にならなくなってしまいます。
またこちらのカビは光合成や葉っぱの表面からの蒸散を妨げることもあるため、最悪の場合、榊が枯れてしまうこともあります。
すす病菌はカイガラムシやアブラムシのフンを餌に栄養源にすることが多いため、これらの虫を取り除くようにしましょう。
カイガラムシがついてしまったときの対処法をこちらの記事でまとめましたので、併せてお読みください。
斑点が広がったてきた場合は炭そ病
炭そ病は、以下の写真のように一部が赤黒い色に変色し、斑点ができる病気です。
基本的にこのように黒っぽくなるのが炭そ病です。
こちらの赤丸の箇所は炭疽病が進行し、黒かった部分が白い斑点に変わってきました。
この病気で葉っぱが枯れたり、落葉することはありませんが、こちらもやはり商品価値はなくなってしまうので、避けたいところですよね。
葉っぱに白や黄色っぽい斑点がある場合は白藻病
このように葉っぱに白っぽい小さな斑点のような、塊のようなものが付着している場合は、白藻病の可能性が高いです。
白藻病はほとんどの場合、葉っぱが枯れたり落葉することはありませんが、本当に見た目が汚くなります。
白藻病になるのはほとんどの場合日光不足です。また風通しが悪いところでも発生します。
僕の山に自生している榊で、ほとんど日光が当たらないところに自生している榊はこの病気にかかっています。枯れることはありませんが、売り物になりません。
日向と日陰で、葉っぱにどのような違いが出るのかについては以下の記事にて詳しく説明していますので、合わせてお読みください。
剪定や周りの木を切って日光を入れれば改善するでしょう。榊農家としてはこのような榊は絶対に売りに出したくないものです。
対処法
上記の病気に対する対処法はもちろんあります。
薬を使用する方法もありますが、薬を使用しないでこれらの病気を対処するには、
病気になった葉っぱを摘み取ることが大切です。
病気はそれぞれの葉っぱで発生するため、木全体が病気になっていない限り、葉っぱを摘み取るだけで対処することができます。
しかし、輪紋葉枯病だけは別です。
こちらの病気は上記の通り榊自体を枯らしてしまう恐れが高いため、
病気にかかった葉っぱは木付近には捨てず、栽培地の外に集めて焼却するか、ゴミに出して、榊に触れないようにしましょう。
白藻病は上の通り、日当たりと風通しを良くすれば改善します。
榊は日光を必要としないとはいったものの、植物ですから日光は多少必要になります。
農薬等に関しては以下のサイトに詳しく書いてありましたので、共有したいと思います。
榊の葉が赤や茶色斑点ができるのは病気なのかのまとめ
いかがでしたでしょうか。
榊は見た目が全てです。汚いものは消費者の方は必ず避けます。
生産者としてはこのような病気を葉っぱを避け、綺麗なもののみをお届けするよう努めています。
榊は本当に強い植物です。しかししっかりケアしてあげないと枯れてしまいます。
今回は実際に僕が育てている榊の写真を使用し、どのような病気があるのかをご紹介しました。どの病気なのか判断が難しい場合は、専門家の方に意見を仰ぎましょう。
何かありましたら、コメントしていただけると幸いです。
コメントを残す