榊がかかりうる病気についてはこちらの記事で紹介しました。
しかし今回紹介する「カイガラムシ」については上の記事では紹介していなかったので、
改めてこちらでご紹介していきます。
カイガラムシは柑橘系や桃等のの果樹に主に寄り付く虫ですが、実は榊にも被害が出ることをご存知でしたでしょうか。
今回はカイガラムシの駆除方法等をこちらで説明していきます。
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カイガラムシとは、駆除しなければならない理由
こちらは当農園の柑橘系(レモン)の樹木にいたカイガラムシです。
上記のようによく柑橘系の樹木に多くいるようですが、樹木なら基本的には被害の対象になるようです。
カイガラムシは樹木に寄生し、口にある細長い針を樹木に差し込み養分を吸い取ります。
成虫になると動かなくなりその場所で養分を吸い続けるようです。
カイガラムシは農薬を使用せずとも手で簡単に剥がすことができるのですが、
増えすぎると、養分を吸われることにより新芽の出方が悪くなってしまったり、枝枯れを起こしてしまうことがあります。
またカイガラムシは樹木に寄生するので、その場で排泄もします。
写真のようにカイガラムシの糞で葉っぱが真っ黒になっているのがわかりますか?
この糞は「すす病」の原因にもなります。
すす病は見た目事態が悪くなるので綺麗な榊が出荷できなくなります。また最悪の場合榊事態が枯れてしまうので注意が必要です。
すす病菌はカイガラムシの糞等を養分とするため、カイガラムシが糞をして葉っぱを真っ黒にする前に駆除したいものです。
カイガラムシの駆除に使用する薬剤や道具
カイガラムシの駆除に使用する道具は以下の通りです。
・消毒液(キング95マシン油乳剤)
・水
・マスク、サングラス、手袋
榊を植えている農場が大きくない場合は、左側の手動の噴霧器で十分でしょう。
農場が広い場合は、右側の電動の噴霧器を使用するととても便利です。
ちなみに左側が3L、右側が14Lタイプの噴霧器です。
安全に配慮して必ずゴーグル、マスク、手袋等をするようにしてください!
キング95マシン油乳剤
今回使用する薬剤はこちらの「キング95マシン油乳剤」です。
名前からしてわかるようにこちらはマシン油であり農薬ではありません。
榊は食べるわけではないので農薬を使用してもそれほど気にしないかもしれませんが、それでもなるべく農薬を使いたくないという方にはおすすめです。
当該マシン油の効果としては、
油でカイガラムシの体をコーティングして、窒息死させることが目的です。
なぜこのような即効性のない古典的な方法がいいのかというと、農薬を使用し続けると農薬に耐性を持ったカイガラムシが出てくることがあるからです。
しかしマシン油を使用することで、物理的に窒息死させることによって抵抗性を持たせないでカイガラムシを駆除することが可能です。
キングマシン油乳剤の使用方法と注意点
左側が榊についているカイガラムシ、右側がカイガラムシが付着している榊です。
養分が吸われているため新芽に元気がないのがわかりますか?
さてマシン油は商品によって希釈倍数が変わってきます。
「キング95マシン油乳剤」の希釈倍数は常緑樹である柑橘系の場合、
30倍〜45倍です。
榊は柑橘系ではありませんが、同じ常緑樹ということで今回は45倍で行うこととしました。
希釈倍数が決まったら水のと共に混ぜ合わせ噴霧器で噴霧していきます。
噴霧をする際は、樹木全体(虫全体)にかかるようにしてください。
上記の通り「窒息」が主な目標です。散布量が少ないと完全に窒息させることができず、越冬し来年また被害が出てしまう可能性があります。
個人的な見解だと、マシン油を散布した次の日には窒息死していたように感じます。
生きている時は少し力を入れないと取れないのですが、マシン油を噴霧した後は少し触っただけでぽろっと取れました。
・散布は日中を避け朝夕の涼しい時に散布する
→冬の場合は大丈夫だが、薬害が起きる可能性があるため
・晴天が続く時に散布する
→雨により効果が低下することがあるため
・樹木が弱っている場合には散布しない
→植物も生きていて呼吸をしています。この薬剤はカイガラムシだけではなく樹木にも多少影響を及ぼすので弱っている個体だとさらに弱ってしまう可能性もある
榊へのマシン油散布は12月〜2月に行うようにしましょう。
または必ず新芽の発芽前に散布するようにしてください。
榊のカイガラムシ駆除方法まとめ
いかがでしたでしょうか。
カイガラムシがたくさんついていない時は薬剤を使用せず手で取ってしまうことをお勧めします。
しっかり取り潰してしまえば大丈夫ですが、取っただけだとまだ生きており風などで他の樹木へ再度寄生してしまう恐れがあります。
白っぽい物体を見つけたら必ず対処するようにしてください。
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